電気代の中身はどうなっている?業界別に簡単整理
電気代が高い――。
ここ数年、多くの施設・法人さまから寄せられる共通の悩みです。
しかし「何にどれくらい電気を使っているのか?」と聞かれると、
意外と全体像がつかみにくいもの。
そこで今回は、ビルメンテナンスの現場からみた【電気代の内訳】を業界別にサクッと整理します。
■ 電気代は大きく4つに分けられる
どの建物でも、電気の使われ方はだいたい以下の4分類に集約されます。
- 空調(冷房・暖房・換気)
- 照明(蛍光灯・LED・屋外灯)
- 動力(エレベーター・ポンプ・厨房機器など)
- コンセント負荷(PC・コピー機・家電・医療機器など)

1.空調(冷房・暖房・換気)

2.照明(蛍光灯・LED・屋外灯)

3.動力(エレベーター・ポンプ・厨房機器など)

4.コンセント負荷(PC・コピー機・家電・医療機器など)
実務的には、この4つのどこが「大きな割合を占めているか」が、
業界によって大きく変わります。
■ 業界別「電気の使われ方」ざっくり比較

オフィスビル
1位:空調(40〜50%)
2位:照明(20〜30%)
3位:コンセント負荷
4位:動力
特長:
- 人の密度が高く、冷房負荷が大きい
- 会議室・廊下の照明時間が長い
- PC・複合機などの機器はそこまで支配的ではない
→ LED化と空調の適正運用が最も効果的

病院・クリニック
1位:空調(40〜60%)
2位:医療機器含むコンセント負荷(20〜30%)
3位:照明
4位:動力
特長:
- 24時間運転が多い(ナースステーション・ICUなど)
- 医療機器の常時稼働
- 照明は多いがLED化の進展により相対的比率は低下
→ 空調の効率化が最大ポイント。フィルター管理の影響が大きい。

介護施設(特養・老健・サ高住)
1位:空調(50〜60%)
2位:照明
3位:厨房・給湯(動力)
4位:コンセント負荷
特長:
- 高齢者向けで室温管理がシビア(夏も冬も負荷が大きい)
- 廊下・食堂など「常時点灯」が多い
- 厨房や給湯系の電気消費も無視できない
→ 空調点検とLED化がダブルで効く業界

ホテル
1位:空調(40〜50%)
2位:給湯・ランドリー(動力)
3位:照明
4位:コンセント負荷
共用部の照明が多い
- ランドリーや給湯設備が大きな電力かつ稼働時間が長い
- 空調負荷の波が大きい
→ 空調設備の劣化・フィルター状態で電気代が大きく変わる
【まとめ一覧】
| 業界 | 空調 | 照明 | 動力(ポンプ・厨房・給湯など) | コンセント負荷 |
|---|---|---|---|---|
| オフィスビル | 40〜50% | 20〜30% | 5〜10% | 10〜15% |
| 病院・クリニック | 40〜60% | 10〜20% | 10〜20%(医療機器含む) | 15〜25% |
| 介護施設 | 50〜60% | 15〜25% | 10〜15%(厨房・給湯) | 5〜10% |
| ホテル | 40〜50% | 10〜20% | 20〜30%(ランドリー・給湯) | 5〜10% |
参考資料
■….で、結局どこを対策すればいいの?
現場目線で言えば、対策優先順位は以下の通りです。
① 空調(エアコン)

建物の電気代の約4~6割を占める最重要ポイント。
フィルターの詰まり、室外機周辺の環境、ガス漏れ、水回りなど、
点検の有無で電気代は大きく変わります。
② 照明(蛍光灯 → LED化)

蛍光灯2027問題の影響もあり、電気代30〜60%削減の効果が出やすい部門。
常時点灯の多い施設ほど、交換のメリットは大きいです。
③ 動力(ポンプ・厨房・給湯)

施設規模によって差が大きいものの、老朽化による電力ロスが起きやすいため「見直し対象」です。
④ コンセント負荷

PC・家電などは個別差があり、建物全体ではそこまで支配的ではないケースも多いですが、台数が多い業種では影響が出ることもあります。
■ 現場として【必ずおすすめする最初の一手】
- 空調の状態チェック(点検記録・フィルター・内部の汚れ・室外機の環境)
- 照明の棚卸し(蛍光灯の種類・本数・稼働時間)
- エリアごとの使用量のざっくり把握
この3つを押さえるだけで、
「どこから手を付ければ一番効果が大きいか」が一気に明確になります。
■ おわりに
電気代の「どこが重いのか」を理解しておくと、
無駄なコストや不必要な工事を避ける判断がしやすくなります。
当社では、建物の使用状況をヒアリングし、
必要な分だけ効果的な改善提案を行っています。
「うちの場合はどれに当てはまる?」という段階でも大丈夫です。
下記フォームよりお気軽にお問い合わせください。










この記事へのコメントはありません。